医療medical
応急処置の方法
【頭、胸、背中、腹を打った場合(Contusion)】
打った時に痛みがあり、腫れてくるのは、皮下組織が壊れて内出血があるためである。最初は赤く、次第に青黒くなり、数日経つと黄色っぽくなり、徐々に薄れてくる。打撲がひどい時には、骨折や内臓の損傷など複雑な症状が現れる。重傷の場合は、必ず病院に行き医師の診察を受ける。痛み止め薬にはタイラノール(TYLENOL)がよい。
頭を打った場合
意識の有無を観察する。脳しんとうや脳内出血の恐れもあるので、必ず医師の診察を受ける。また、乳幼児が頭を打った時も、医師に相談する。
応急手当
- こぶができている場合は、冷たいタオルで冷やす。
- 外傷がある時は、清潔な布を当てて、傷の周囲を圧迫する。出血が多い場合は、指圧止血をする。
- 意識不明の時は、すぐに気道確保をする。呼吸が楽にできるようにする。
- 出血性ショックを起こしている場合は、圧迫止血をする。クッションなどを使って、足を20度ぐらいの角度に上げて寝かせ、傷口からの出血は清潔なガーゼで圧迫する。急いで病院に運ぶ。
胸を打った場合
肋骨骨折の可能性があるので注意する。
応急手当
- 頭と上半身を高くするように、静かに寝かせる。頭は後ろに反らせたほうがよいので、首の下にタオルなどを入れる。
- 胸を氷のうで冷やす。
- 呼吸をして痛む時は、幅の広い弾性包帯や三角巾などで胸をグルグルと巻く。こうすると呼吸による胸の痛みが抑えられ楽になる。
- 胸が苦しく、息切れする時は、できるだけ早く医師の診察を受ける。
背中を打った場合
脊椎が折れていることもあるので、十分な注意が必要。背中の痛みだけではなく手足が動かなかったり、しびれがある場合は直ちに病院へ運ぶ。
応急手当
やむを得ずけが人を運ぶ場合は、堅い板の上に仰向けに寝かせ、頭と首を動かさないよう細心の注意を払う。タオルなどで首の両側を固定する。
腹を打った場合
顔面蒼白、冷や汗、吐き気、嘔吐などがあり、全身の状態が悪くなった時は、内臓の損傷と内出血の可能性がある。
応急手当
- 水平に寝かせる。
- 吐き気、嘔吐のある時は、顔を横に向ける。
桑間 雄一郎 医師(監修)
- 所属
- 東京海上記念診療所(マンハッタン診療所)
- 肩書
- 院長
- 住所
- 55 East 34th Street 2nd Floor New York, NY 10016
- TEL
- 212-889-2119
- FAX
- 212-696-2406