生活living
フライフィッシングを楽しむ
「趣味は釣り」という話をすると、必ずと言っていいほど「海釣り?」と聞かれます。私が愛好する釣りは、川や湖でする「フライフィッシング」という釣りになります。一般的に、釣った魚を食べることはあまりありません。釣りという行為自体を楽しむスポーツと考えられています。
紳士のスポーツと呼ばれ愛される「釣り」
日本人にはあまり馴染みがないフライフィッシング。欧米ではとても歴史のある釣りで、その起源は古く15世紀頃まで遡ります。当時のイギリスでは貴族の遊びといういう印象でした。現代でも紳士のスポーツと呼ばれ、世界中で年齢や性別を問わず広く愛好されています。映画「A River Runs Through It」の一場面を思い出して下さい。若かりし頃のブラッド・ピットがしていた釣りですと言えば、「ああ、あれか!」と合点がいく方も中にはいらっしゃるのではないでしょうか。
パターンが豊かなその釣り方とは?
川面を流れるカゲロウなどの水棲昆虫に見せかけた毛ばり(=フライ)を使用します。それを、流して魚を釣るというものです。フライの種類には、羽の生えた水棲昆虫の成虫。川底にいる幼虫や小魚を模したものまであります。鳥の羽や、鹿の毛などを用いた様々なフライパターンがあります。世界中で様々なフライが作られてきました。そのフライを魚のいるポイントまで飛ばします。そのために空中でラインを前後に操り、小さなフライをポイントへ運ぶのです。
自然の中でリラックスすることも
フライフィッシングには、実にたくさんの楽しみがあります。美しい自然の中で釣るので、リラックスした至福の時間を過ごせます。また、フライフィッシングには自然を読まなければなりません。そこで、魚を誘い出すためのテクニックや戦略が必要です。ですから、釣り人自身が魚の気持ちになって考え試行錯誤することが必要です。また、自作のフライで魚を釣るというゲーム性も大きな楽しみのひとつです。
出会いと学びのある釣り
最後に、釣り人たちが共有するコミュニティの存在も挙げられます。個人的な趣味として楽しむこともできますが、コミュニティ内で技術や情報を共有するなど、釣り人たちはお互いに敬意を払い合い、熱心な愛好家たちが集う独自のコミュニティを形成しているのです。私自身、フライフィッシングを通じてたくさんの出会いがあり、今でも多くのことを学ばせてもらっています。
このように、フライフィッシングには様々な魅力がありとても奥が深く、一生楽しめる大人の遊びなのです。簡単な釣りではありませんが、そこにまた、人を惹きつけてやまない魅力があるのかもしれません。次回は、アメリカにおけるフライフィッシングの歴史や、世界中のフライフィッシング愛好家が憧れる国内の釣り場の聖地についてご紹介したいと思います。
企業概況ニュース 連載「山を歩き、川で遊ぶ。大人のアウトドアライフ」①より
*記事の情報は2023年5月現在のものになります。
タグ: アウトドア, アウトドアライフ, アメリカ, フライフィッシング, 歴史, 釣り
《執筆者》坂本礼緒(さかもと れお)
- 所属
- 企業概況ニュースで連載中
- Leo.outdoorlife@gmail.com
日本のカリスマ的アウトドア用品の輸入代理店・販売店にて経営事業企画、イベント企画、店舗運営、ガイドなどを経験。その際にフライフィッシングに出会い、NYに移住後、改めてその魅力に目覚める。