生活living

アメリカのホリデーやイベントの由来とミニ知識


JANUARY

  • ニューイヤーズ・デー(New Year’s Day)
    1月1日
    日本のお正月のような特別な料理や行事はなく、アメリカの元日は12月31日の年越しパーティーやカウントダウンの翌日という印象で、遅く起きて各地で行われるカレッジフットボールの試合を観戦して過ごすのが一般的。新年は2日から仕事や学校が始まる場合が多い。
  • マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デー(Martin Luther King Jr. Day)
    1月 第3月曜日
    60年代の公民権運動のリーダーだったキング牧師の誕生日(1月15日)にちなんで、彼の功績をたたえる祝日。彼は「非暴力」をスローガンに人種統合を訴え続け、64年ついに公民権制定法を勝ち得た。ワシントンのリンカーンメモリアルで、20万人もの聴衆を前に行われた「I have a dream. (私には夢がある)」の演説は歴史上に残る有名なもの。またその絶大なる影響力と信頼で、ノーベル平和賞も受賞している。その後68年4月4日に宿泊先のメンフィスのホテルで暗殺されてしまうが、彼が残した功績は多大である。 
  • フレッド・コレマツ・デー(Fred Korematsu Day)
    1月 30日
    第二次世界大戦期アメリカでの日系人強制収容の不当性を訴え、後に裁判により米国政府から日系人への謝罪と補償を実現させ、1998年に大統領自由勲章を受章した是松豊三郎(フレッド・トヨサブロー・コレマツ)の誕生日を記念した日。2010年にカリフォルニア州政府が制定し、その後ハワイ州、バージニア州、フロリダ州、ニューヨーク州、アリゾナ州が続いている。フレッド・コレマツは日本ではあまり知られていないが、カリフォルニア州では複数校の学校名になっている。米国初のアジア系アメリカ人にちなんだ祝日。
  • チャイニーズ・ニューイヤー(春節)(Chinese New Year, Lunar New Year)
    1月下旬から2月中旬
    2月10日(2024年)
    1月29日(2025年)
    旧暦の正月で中国、韓国、ベトナム、シンガポール、マレーシアなど12か国、地域の祝日。これらの国の人が多く住む地域やチャイナタウンではお正月を祝う飾り物や食品が売られ、花火や獅子舞などのイベントが催される。ニューヨーク市の公立学校では2016年から祝日として休校になっている。

FEBRUARY

  • スーパーボウル(Super Bowl)
    2月上旬の日曜日
    ナショナルフットボールリーグ(NFL)の優勝決定戦で、アメリカ最大のスポーツイベント。毎回日曜日の夜に開催されるので多くの人がパーティーを開き、家族や友人が集まって観戦する。アメリカではスーパーボウルの日はサンクスギビングの次に食料消費量が多いと言われ、この日が近づくと食料品店に列ができ、ポテトチップやビールの棚が空になる。フットボールだけでなく、試合の前半と後半の間のハーフタイムショーや、試合中に放映するために特別に作られたテレビCMも注目を集める。
  • バレンタインデー(Valentine’s Day)
    2月14日
    アメリカでは、夫婦、恋人、友達同士でカードやキャンディ、クッキー、花束などを贈り愛を確認し合う。そもそものバレンタインデーの起こりはいくつか説がある。その一つは古代ローマ帝国で2月15日に行われていたお祭りから来ている。若い娘を鞭打つことで、子宝に恵まれると信じられていたという。またもう一つは、紀元前269年のローマ帝国で、バレンタインという名の聖人が、国に逆らった罪で2月14日に処刑されたところから来ているらしい。他には古いイギリスの伝説で、2月14日に鳥がつがうというのもある。
  • プレジデントデー(Presidents’ Day)
    2月 第3月曜日
    「建国の父」ことアメリカの初代大統領、ジョージ・ワシントンの誕生日(2月22日)を祝う日。彼はイギリス植民地時代、アメリカ軍を率いて独立戦争を勝利に導き、独立を勝ち取った。更に憲法会議の議長として合衆国憲法を起草している。子供のころに庭の桜の木を斧で傷付けてしまったが、素直に父親に謝って許してもらったという話は、ワシントンのエピソードとしてよく知られている。この話にちなんで、この日はチェリーパイやチェリーケーキをいただくのが習わしとなっている。また、もう一人の偉大なる大統領アブラハム・リンカーンの誕生日(2月12日)も同時に祝う地域もある。

MARCH

  • セントパトリックデー(St. Patrick’s Day)
    3月17日
    アイリッシュ系の人々のお祭り。6世紀のアイルランドにカトリックを広めた聖パトリックを祝う。シンボルマークは緑の三ツ葉のクローバー。ニューヨーク、マンハッタンの5番街では、毎年盛大なパレードが行われ、グリーンのカラーであふれ返る。この日のアイリッシュ系の人々の食事は、コーンビーフ(塩漬けビーフ)に、ゆでたキャベツとポテトを添えた伝統的なアイルランド料理だ。
  • イースター(Easter)
    3月下旬から4月
    春分の日の後の最初の満月の後の日曜日に、十字架に架けられ処刑されたキリストの復活を祝う日。この時期になると、うさぎグッズや鮮やかな色で染めた卵が街のあちらこちらで見かけられる。そもそもうさぎは昔から多産な動物の代表で、イースターでは新生のシンボル。卵はキリストが生き返ったお墓の象徴とされている。イースターの日は午前中に教会に出掛け、午後は家族で集いイースターディナーとなる。代表的なのが、神に捧げられたとされる子羊の料理や幸運のシンボルである豚のハムなどである。また、イースターの前日まで40日間は四旬節(Lent)で、キリストの受難をしのび断食や懺悔の修行をする期間である。その初日は〝灰の水曜日(Ash Wednesday)〟で、教会では信者の額に灰で十字を記す儀式があり、この日は額に黒い+がついている人を見かける。その四旬節が始まる前に、思いっ切りはめをはずそうというのがマルディグラ(Fat Tuesday)で、ルイジアナ州のニューオーリンズでは、6日間休みなくお祭り騒ぎが繰り広げられる。そしてイースターの前の金曜日はグッドフライデーと呼ばれる、キリストが十字架にかけられた日。この日は、ホットクロスパンと呼ばれるアイシングなどで十字をつけたパンを食べる習慣がある。

APRIL

  • パスオーバー(Passover)
    4月22日〜4月29日(2024)
    4月12日〜4月19日(2025)
    数多くのユダヤ教の祭日の中で最も大切な祭日。その昔エジプトで奴隷だったユダヤ人が、モーセに率いられて脱出し自由の身となったことを祝うお祭り。そのため、この日の夕食メニューは大きな意味を持つ。マッツォはクラッカーのような固いパン。当時はパンを焼く余裕もなかったということを思い出すため。辛く苦い野菜は奴隷としての苦しみを忘れないようにという意味で。焼き卵は破壊されたユダヤ教の神殿の象徴として、今なお彼等の食卓に上る。

MAY

  • メモリアルデー(Memorial Day)
    5月 最終月曜日
    戦争で亡くなった人々の冥福を祈る日。全国各地で退役軍人達のパレードが行われる。
  • スタンレー・カップ・ファイナル(Stanley Cup Finals)
    5月から6月
    米国とカナダのチームが参加するナショナル・ホッケー・リーグ(NFL)の優勝を決める、シーズン最後の試合で毎年5下旬から6月に行われる。熱烈なアイスホッケーファンは多く、観戦パーティを開いたり、チームのジャージを着てスポーツバーやレストランの大画面で観戦する人も多い。

JUNE

  • NBAファイナル(NBA Final)
    毎年6月上旬から下旬
    北米プロバスケットボールリーグ(NBA)のプレーオフ、優勝チームを決めるシーズンの最後の試合。7試合制で、どちらかのチームが4勝した時点で終了する。NFL,NBAなどのアメリカメジャースポーツと同様に優勝チームには、特別にデザインされた記念の指輪、チャンピオンリングが贈られる。
  • ジューンティーンス(奴隷解放記念日)(Juneteenth National Independence Day)
    6月19日
    Jubilee Day, Freedom Day, Black Independence Day等とも呼ばれる。最後まで奴隷制度があったテキサスで奴隷解放が発表された1865年6月19日を記念した祝日。テキサス州を中心に各地で祝われていたが、2021年に米国の祝日になった。

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